ゲーミングPCが欲しい…けどなんだかよく知らない!
けどエイリアンウェアは知ってる!あのカッコよくて最新のゲーミングPCを売っているサイトだよね〜
という人は結構いるかもしれません。私も10年前くらいまではそんな感じでした。
ゲーミングPCと言えばエイリアンウェア、そんなイメージを持っている人もいるかもしれません。今回はそんなエイリアンウェアについて解説していきます。
Contents
エイリアンウェアは価格が高い
エイリアンウェアが欲しいと絵を輝かせていた人たちには悪いのですが、残念ながらエイリアンウェアは性能の割に価格が高いことで有名で、評価もそれ相応となっています。
このメーカーは典型的なブランド税が上乗せされているメーカーで、通常の相場よりも明らかに高い値段でゲーミングPCを売っています。
その分、デザインはカッコいいんですけどね。これを言うと厨二病をバカにする高二病の人から非難されるのですが、私はエイリアンウェアのあの近未来…風のケースや、宇宙のロマンや陰謀説を彷彿させるあのロゴが物凄く好きです。

なんか…よくわかんないタール的な物?の水たまり?に落とされて?タールしぶきをあげるカッコいいエイリアンウェア(割高)
ですが見た目の良さとコスパはまた別問題です。
実際にどれくらい割高なのかをてきとうに比べてみましょう。
ALIENWARE Aurora スタンダード
当サイトが独自に入手した情報によると、エイリアンウェアが今1番推しているのがこの「ALIENWARE Aurora スタンダード」というモデルだそうな。
上の画像にも出てきた黒く濁った水たまりに投げて水しぶきを上げるのには最適と宣伝されているパソコンです。
さて、この水しぶき専用パソコンですが、このスペックは以下のようになっています。
- CPU:Core i5-6400
- GPU:GTX 950
- RAM:8GB
- HDD:2TB
- 価格:12.9万
パソコンに詳しくない人がみたら「Core i5にGTX900シリーズ、メモリも8GBで容量も2TBなのに13万?悪くないじゃ〜ん」なんて思うかもしれませんが…
パソコンに詳しい人が見たら「このスペックで13万…?きゅうりに割り箸さして馬と主張するほうが現実的なレベル」と思います。
いじわるな姑のように、スペックにいちいち文句をつけていくとこんな感じです。

いらすとやによるエイリアンウェアに文句をつける姑のイメージ
CPU:Core i5-6400=まあ悪くないかもしれないけどさ、もうちょっと頑張れたんじゃないですか?
GPU:GTX 950=今時そんなグラボ付けてて恥ずかしくありませんか?時代遅れにも程がありますわよ。
RAM:8GB=普通すぎて個性がないっていうのもねえ…。
HDD:2TB=普通に考えたらSSDとか付けられたと思うんですけど…?
価格:12.9万=このスペックでよくこんな強気な価格付けられたわねえ。
こんな感じです。
まとめると価格の割にスペックが低すぎ!です。
データで比べるエイリアンウェアのデスクトップ
感情的に他人を責めるのは姑の仕事です。ゲーミングPC紳士は大人らしく、データをもってエイリアンウェアがどうヤバイのかコンパリソンしてみることにしましょう。Shall we?
今回の比較対象はALIENWARE Aurora スタンダードよりも1万円高いガレリアXTです。
ガレリアXT | ||
---|---|---|
CPU | Intel Core i7-6700 | |
グラボ | Geforce GTX1060 6GB | |
メモリ | 8GB DDR4 SDRAM | |
ストレージ | SSD:500GB HDD:2TB |
|
価格 | 151,980円〜 |
いい感じのスペックしてますね。
パソコンのパーツの能力を測るには、組み上がったパソコンのパーツを一部分だけ取り替えて、パソコンに負荷をかけてどれくらいの処理能力があるかを測るソフトを使うのが1番です。
これをベンチマークと言い、ベンチマークをして出るスコアのことをベンチマークスコアと言います。
ベンチマークスコアを比較すれば、それぞれのパーツがどれくらいの処理能力を持っているのか人目でわかるわけですね。
このベンチマークスコアを用いて、実際にどれくらい能力差があるかを白日の下に晒して行ってみましょう。
CPUの差
CPUはパソコンの計算能力の速さを司っています。パソコンの脳に例えられることがよくありますが、実際にパソコンの頭脳となっているのはこの部分です。
CPUが早ければ早いほど全体的な動作が早くなるので、グラフィックカード並に重要なパーツと言えるでしょう。
このCPUを比較すると…
Aurora:i5-6400:ベンチマークスコア6,532
ガレリアXT:i7-6700:ベンチマークスコア9,987
約1.52倍の差が開いています。
アレ?思ったより差が著しくないと思う人もいるかもしれませんが、ゲーミングPC業界では1.52倍の差はとてつもなく広いと考えられています。
ポケモンで言う所のポッポとカイリューくらいの差はあります。あとはヤムチャとサイバイマンとか。
グラフィックカードの差
グラフィックカードとは画面描写を司るパソコンのパーツで、ゲームのグラフィックの処理はこの部分がほぼすべて引き受けています。
このグラフィックカードの性能が良ければ良いほどゲームはきれいに遊べるので、ゲーミングPCを買うのであれば1番こだわりたいのがこのパーツです。
このグラフィックカードを比較すると…
Aurora:GTX950:ベンチマークスコア5,241
ガレリアXT:GTX1060:ベンチマークスコア9,607
約1.8倍の差が出ています。
まあこんなもんかな?と思うかもしれませんが、ゲーミングPC業界で1.8倍の差というと火星と土星、もしくはマツコ・デラックスとアリの大きさくらいの差があります。
PCゲームはFPSが高ければ高いほど良しとされています。FPSというのはFrame Per Secondの略称で、1秒間の描写回数を意味しています。
FPSは30が最低ラインで、60が満足ラインと言われており、PS4のゲームなんかは30FPSか60FPSを安定して出せるようにグラフィックを調節しています。
このFPSを高めるには、いいグラフィックカードを使うのがもっとも効率よく、グラフィックカードをちょっといいものに変えれば簡単に向上したりします。
FPSが違うと見た目がどう違ってくるのか、非常に分かりやすい画像があるので一緒に見てみましょう。
それぞれの文字は表記と同じ設定で描写されています。60FPSと書いてある方は秒間に60コマ、30FPSと書いてある法は秒間30コマ描写されているわけです。
さて、見れば分かるように60FPSの方が圧倒的に滑らかですよね。逆に30FPSの方は早い移動ではカクカクしているようにすら見えます。
AuroraとXTでは1.8倍の差があるわけですが、これは超ざっくり言うとガレリアXTで60FPS出せるゲームではAuroraでは33.3FPSしか出せないという事になります。
30FPSと60FPSではどれくらいの差があるかは今見た通りです。せっかく新しいゲームをきれいに遊ぼうと思っても、画面が滑らかでなければものすごいストレスを感じるはずです。
その他
その他の違いとしては以下が挙げられます。
- ガレリアXTはメモリ16GBなのにAuroraは8GB
メモリとはパソコンの処理を一時的に保存しておく場所であり、別のものに例えられる際はよく机の広さが用いられます。
正直メモリの量は8GBでも16GBでもゲームが求める最低ライン以上あれば別になんでもいいのですが、多いほうがいいですよね。
もう一つ、容量の差もあります。
- ガレリアXTはHDD2TB+SSD480GBなのにAutoraは2GBのみ
ガレリアXTには容量2GBにくわえて、SSD480GBが付いてきています。
SSDというのは新しい容量のタイプです。フロッピーディスクの次のハードディスクの次の一番新しいタイプの記憶媒体がSSDなのです。
このSSDは何が素晴らしいのかというと、書き込み・読み込み速度が従来のそれと比較にならないくらい早いのです。
読書速度が早いとプログラムの呼びたし速度が早くなるので、パソコンの起動時間の大幅短縮、ゲームのローディング時間の大幅短縮、全体的な動作の高速化が可能になります。
新しくゲーミングPCを買うのであれば絶対に欲しいパーツの1つですね。当サイトでもゲーミングPCを買うならSSDを2つ付けようと大絶賛しています。
最大の問題
あらゆる面でAutoraはガレリアXTに劣っていることが分かったと思います。
ここで、このAutoraの細大の問題に迫っていきましょう。
それは…なんとこのガレリアXTとAutoraが1万円しか値段が変わらないという点です。
ガレリアXT | ||
---|---|---|
CPU | Intel Core i7-6700 | |
グラボ | Geforce GTX1060 6GB | |
メモリ | 8GB DDR4 SDRAM | |
ストレージ | SSD:500GB HDD:2TB |
|
価格 | 151,980円〜 |
記憶がいい人は覚えていたかもしれませんが、重要なのでもう一度最大の問題として再提起しました。
ほぼ2倍ちかく性能の差があるのに、1万円くらいしか性能に差がないと、Auroraはあきらかにコスパが悪いと言っても訴えられはしないはずです。なんといっても事実ですからね。
もしゲーミングPCが欲しいからと、エイリアンウェアでパソコンを買おうと思っているのであれば、ちょっと考えなおしてみてください。もしかしたら値段の割にショボいパソコンを掴まされるかもしれませんよ…
エイリアンウェアのデスクトップPCを買ってしまった人は後悔の念から大粒の涙をぼろぼろ流しながらむせび泣き、顔の周りに溜まった涙で入手自殺をはかってもおかしくはありません。
ノートパソコンもそんなに良くない
エイリアンウェアのデスクトップPCが値段の割にショボいのは分かった。でもノートパソコンは?
デスクトップが割高なだけでノートパソコンはそうでもないんじゃない?と一縷の望みに希望を託している人もいるかもしれません。
しかし…残念ながらノートパソコンもそんなに良くありません。値段あたりの性能の差はデスクトップパソコンほどではありませんが、それでも他のものと比べると割高です。
ただ、ゲームがしたくてノートパソコンを買うというのがそもそも間違っている選択肢なので、エイリアンウェアのノートパソコンの話をする前に軽くゲーミングノートがどれだけ酷いものなのかを軽く解説させてください。
詳しくはゲーミングPCが欲しくてもゲーミングノートは絶対にやめようで解説しているのでそちらもどうぞ。
そもそもゲーミングノートの存在が間違い
ゲーミングノートは存在自体が罪です。コレさえ無ければPCでゲームがしたいのにゲーミングノートを買ってしまうという悲劇を回避できたのに…
なぜゲーミングノートはそこまで邪悪な存在なのでしょうか?それはゲーミングノートの性質にあります。
どんな機械も、小型化や軽量化をするには圧倒的なコストや開発力がかかります。iPhoneも今や指先ひとつでなんでも出来るスマートデバイスとなりましたが、最初の最初、まだiPhoneがiPodだった時代はインターフェースは白黒で、ボディは物理ボタンだらけでした。
iPodの登場後しばらくしてから、小型・軽量化したバージョンであるiPod Shuffleが販売されましたが、こちらはディスプレイも何にもないただの棒として発売されました。
このように、どの機械も小型化し性能を上げるには時間とコストがかかります。無理に小型化しようとするならば、大幅に性能を落とす必要も出てきます。
もちろん、パソコンのパーツも例外ではありません。
ゲーミングノートを作るには、デスクトップパソコンに搭載されている処理速度を司るパーツであるCPUやグラフィックカードを小型化・省電力化して搭載する必要があります。
そしてその小型化・省電力化に掛かったコストはノートパソコンの本体価格に転嫁されるため値段は上がり、無理に小型化をしているため性能も著しく落ちてしまうのです。
言い換えるなら、ゲーミングノートは全て例外なく値段の割に性能が著しく低いのです。
PCでゲームがしたいからといってゲーミングノートを買う事がそもそも間違いなのです。PCでゲームがしたいのにゲーミングノートを買うというのは、素晴らしく美味しい海鮮料理が食べたいとマクドナルドに行くくらいの愚行なのです。
6ヶ月に1回引っ越すから持ち運べるノートパソコンじゃないと厳しい…みたいなやむを得ない事情がない限りはゲーミングノートを買うのは絶対やめましょう。
これが分かってくれた事を前提として、エイリアンウェアのゲーミングノートと、市販のゲーミングノートを比べていきましょう。
データで比べるエイリアンウェアのノート
日本語が読めるなら私の説得によりエイリアンウェアはともかくゲーミングノートなんて買う気が失せているかと思われますが、それでもエイリアンウェアのゲーミングノートが欲しい人のためにエイリアンウェアのノートパソコンがどんな感じかをデータで比べていきます。
今回の比較対象はこちら「ALIENWARE 13:スタンダード:119,980円」
性能は以下の通りです。
- CPU:Core i5-6200U
- GPU:GTX 960M
- RAM:8GB
- HDD:500GB
これを見る限りでは正直デスクトップほど悪くない感じしますね。今回比べてみるのはガレリア QSF965HEです。価格は例によって1万こちらのほうが高いのですが、どれくらいの性能差があるのでしょうか。
ガレリア QSF965HE | ||
---|---|---|
![]() | CPU | Intel Core i7-6700HQ |
グラボ | Geforce GTX965M | |
メモリ | 8GB DDR4 SO-DIMM | |
ストレージ | HDD:1TB SSD:250GB |
|
価格 | 129,980円〜 |
これだけ見てもスコアで比較しないとよくわかりませんね。SSDがついている分ガレリアの方が有利に思えますが…
詳しく比較していってみましょう。
CPUの違い
CPUの型番と性能の違いは以下のようになっています。
エイリアン:Core i5-6200U:ベンチマークスコア3,937
ガレリア:Core i7-6700HQ:ベンチマークスコア8,016
なんと約2倍の性能差が付いています。ほぼおなじ価格帯なのにこんなに著しく性能が違うCPUを付けてもいいのでしょうか。
ゲーミングPC業界で性能差2倍と言うと…もうたとえが思いつきません。クジラと蟻による100m自由水泳のタイムくらいの差はあります。
グラフィックカードの差
グラフィックカードはどれくらいの差があるのでしょうか。
エイリアン:GTX960M:ベンチマークスコア1,767
ガレリア:GTX965M:ベンチマークスコア2,932
CPUほどの著しい性能差は見られませんね。といっても1.67倍違うのでこれも相当な差です。
ですが…なにか違和感を感じませんか?グラフィックカードのベンチマークスコア2000〜3000程度って…なんか低いような…?
それもそのはず!もう一度デスクトップPCのベンチマークスコアを見なおしてみましょう。
Aurora:GTX950:ベンチマークスコア5,241
ガレリアXT:GTX1060:ベンチマークスコア9,607
見てくださいこの性能差を!!!
ノートパソコンはグラフィックカードの性能がとんでもなく低いことが今一度理解して頂けたでしょうか。
エイリアンウェアだけで比べても2.9倍の差、ベストとワーストを比べると5.4倍以上の差があります。
ここで紹介した4つのパソコンはどれもほぼおなじ価格帯であるのにもかかわらずこの性能差…この際ハッキリいいましょう。ゲーミングノートは情弱のためのパソコンです!!!
同じ量のお金を払って性能2割未満のパソコンを買うなんて…あってはなりません。もうノートパソコンの比較はヤメです!ゲーミングノートを買うのは絶対やめましょう!あとエイリアンウェアもそんなに良くないのでやめましょう。